ジャマイカ向け輸出車両が詐欺被害!被害総額は1億円

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ここ数年で大きく輸出台数を伸ばしたジャマイカで組織的な詐欺行為が行われました。ジャマイカは輸入できる車に制限があり、製造年から6年以内の車が輸入対象となります。今年が2020年ですから2014年製造の車はセーフですが2013年登録の車はアウトで輸入することができません。製造から6年以内の車ですから車両価格は大体60万前後の車が多く日本から輸出されています。船賃を含めた販売額は1台あたり90万円程度でしょうか。

ジャマイカでの詐欺行為は販売額90万の車をなんと40万で手に入れる合法的な方法なんです。

手口は輸入通関の仕組みが使われました

過去に数件ですがダマされたと話に聞いたことはありますが今回は被害にあった台数が200台と規模が桁違いでしたね。

彼らの手口は輸入関税の仕組みを上手く利用した知的犯行で規模は小さいですが昔から利用されていた方法なんです。

ジャマイカから日本車を輸入するディーラーは注文車両の代金を2回の分割で支払います。1回目の支払いは車が出荷される前に行われ販売額の30%、残りの70%は車がジャマイカに到着する直前に支払われます。なぜ初回全額ではなく分割なのかって?それは次回機会にお話しします。

日本の輸出業者は30%の支払いを確認したら車を船に載せ、残り70%の支払いを確認したらB/L(船に載った車の引換券のようなもの)をジャマイカのディーラーに渡します。

ジャマイカに到着した車両は港の保税エリアに一時保管されB/Lと引き換えに車はディーラーに渡され取引が終了します。。

そして今回被害にあった車両は到着までに残り70%の支払いがされなかった車たちです。

残りの支払いが無いとディーラーはB/Lを受け取れないので車は保税エリアに置いたままになります。お金を工面して何とか残り70%を支払って無事に車を引き出せるディーラーもいれば工面できず車を引き出せない者も中にはいます。

引き出せなかった者の車はある一定期間が過ぎるとルールによってオークションに出品されお金に変えられてしまいます。

犯行グループはこのオークションに出品されるルールを上手に使い販売額90万の車を40万と物凄い割安で手にいれているです。オークションなのでここまで割安で購入できるとは限りませんが通常価格で買うよりも断然お得なのは判りますよね。

初めから輸出業者に全額支払う気はなくオークションに出品されるのを待つ計画的な犯行でした。

今回オークションが開催されるのは2月14日で被害総額は1億円になるそうです。

ダマされないためにはどうする?

一番良い予防対策は全額支払いのみ出荷することですがジャマイカは車両単価が高額なので全額前払いは難しいんですよね。

まずは知らないディーラーとの取引を控えることですかね。どうしても初のディーラーと取引する場合は多めに前金を入れてもらい複数台の車の注文をもらい五月雨式に出荷してリスクを分散して下さい。到着するごとに残金を払ってもらい次を出荷していけば被害も最小に抑えられるはずです。

近年ジャマイカへの輸出は右肩上がりで好調ですが、一部の悪い輩に騙されないように慎重に商売をしていきましょう。

ジャマイカの輸出統計

終わりに

保税エリアにある車両をオークションで購入すること自体はルールに沿ったことで犯罪ではありませんが、計画的に出品されてしまうのはルールの穴だと思います。今後その点をジャマイカ政府は改善してほしいものです。